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2019-09

好きで逃げたくてわからない@恋は雨上がりのように7巻

物語はいよいよ佳境へ!!
ケガがもとで陸上部を離れバイトに勤しむあきら。
そのあきらが思いを寄せるオッサン店長。
あきらに憧れ、陸上にもどれと迫る後輩。
あきらの理解者である部活仲間。
ここにバイト仲間の群像劇要素が少し入りつつ、あきらと店長の恋愛になるかならないかの心の揺れ動きがメインのこの作品。
決して「オッサンが美人女子高生に好かれてウハウハ」な話しではない。
店長はあきらの危うさも、あきらの想いの危うさもきっと分かっているから。
臆病な大人は、臆病になりかかった少女に何をしてあげられるのだろう。

ターニングポイントとなったのは6巻だ。
6巻ではっきりとあきらが「揺れ」はじめ、この巻でそれがさらに大きなうねりとなっていく。
陸上への思い、店長への想い。
自分の心からは逃げられないから、心が揺れ始めたら行動も揺れてしまう。
今のあきらの問題は店長への恋以上に、自分の事。
陸上への未練と、それを表に出せない自分。
怖いのか、怖いなら何が怖いのか。
まだ彼女はそれを言葉にできていない。

そして店長も…
あきらの陸上への思い、自分への想い、自分の想いの三つ巴の中で足掻いている。
だけど、それはダメだ、と言いたくなるシーンが1つ。

あきらは部を辞めたわけではなく、ただ行っていない状態。
雨が降って部活が中止になったある日、あきらのバイト先に部の後輩たちがやってくる。
あきらに会いに。
それを見て表情のこわばるあきら。
気付いてしまう店長。
店長はあきらに「キッチンでデザートの盛り付けやってよ」と言ってオーダーを代わってあげてしまう。

ダメだよ、それは。
そこで「あきらが傷つかないように」は違うよ。
高校なんてもとから3年しかないんだから。
部に未練がわずかでもあるなら、あきらにはもう逃げている時間はない。

どれだけ心が痛くても、見ている方の心まで痛くなるような状況であっても。

誰も手を出してはいけない瞬間がある。
見ている方がつらくても、見守らなきゃいけない場面がある。
傷つくことが必要になる時が、傷つくことでしかできない成長がある。
今逃げたらもう戻れない、そんな岐路が人生には必ずある。

周りは手を出せないけど、その人を1人にしちゃいけない時がある。



あきらの店長への想いが逃げなのか、本物の恋なのか。
それはあきらが陸上競技に復帰して、前のタイムを超えるまでわからない。
あきら自身にも、その瞬間までわかることはできない。

この「壁を越えてみないと、その先の自分のことは何もわからない」状態がどれほど怖いか。
壁は超えたい。
その先に自分の目標があるから。

でも、壁を越えた先に幸せがあるかはわからない。
壁を超えたら、今抱えてる大切な物がニセモノになってしまうかもしれないから。


逃げたい、逃げたらいけない、逃げたい、逃げられない。
そんな痛みがいっぱいにつまったこの作品。
主役の2人以外もみんな、何かを抱えて生きている。
私たちも何かを抱え、何かから逃げたい瞬間もある。

逃げても逃げても頭にこびりついて離れないぐらい、好きなもの。
「逃げるために恋をしてるんだ」と言われたら反論できないぐらい一般的にはダメダメな「好きな人」。

わかる。
わかりすぎて、自分まで痛い。

あきらと店長の恋ももちろん気になるけれど。
「逃げたい」
「逃げられない」
「壁を越えたい」
「超えるのが怖い」
全部共感できてしまう。
あきらがどの選択をしてもきっと私は共感するだろう。
でもできれば。

逃げないで向き合って、壁を乗り越えて、壁の向こうで幸せになってほしいなあ。
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