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2019-06

なぜ繰り返すのか@エリザベートガラコンサート

舞台で何度も見て、その度に違う見え方をするエリザベート。
だから何度見ても飽きないし、見る度に自分の変化を思い知る。


今回見て思ったのは、「やたらダメ親が目に付くなぁ」という事。
シシィ憧れのマックスからして、カッコいいけどダンディだけど親としてはダメダメ。
家の事から逃げまくって外国で狩りをしているんだから。

フランツの母、ゾフィー。
言ってることは正しくとも、フランツの個性に合わせるという発想がないからフランツはここ一番で反抗心を爆発させ、ヘレネを拒否してシシィを選ぶ。


そしてシシィもフランツもまた、ダメ親だ。
シシィはルドルフを保身のために突き放す。
フランツはシシィを失わないためにルドルフの帝王教育を途中でやめさせてしまう。

結果、ルドルフは皇帝の器を持てず革命軍に味方して、フランツに皇位継承は無理だと言われシシィにとりなすことは無理だと言われ、自殺。
ダメ親から生まれたダメ親が子供を自殺させてしまった。


そして。
シシィはマックスに「一緒に連れて行ってよ、外国に旅するのね」と歌う。
ルドルフはシシィに「どうして旅に出るの、僕も連れて行って」と歌う。

この作品では同じメロディに違う歌詞を当てて、その対比に意味を持たせるというやり方がある。
(ラブラブな「嵐も怖くない」→すれ違いの「夜のボート」
それを考えると、この「連れて行って」の繰り返しにもきっと意味がある。
孤独ってこの作品においてかなり重要なキーワードだから。


ヴィンディッシュ嬢のシーン。
シシィは「私の孤独に耐えられるのなら変わってもいいのよ」と歌う。
女官を引き連れ、息子と夫に帰ってきてほしいと切望されてもシシィは孤独だという。
それはシシィにとって「本当の自分を分かってくれる人」がいない、ということなのだろうけど。

自分は皇后エリザベートだと思い込んでいるヴィンディッシュ嬢は、本物のシシィを見てひるむ。
パニックを起こし暴れる。
そこに立ち向かっていくシシィ。
シシィに抱きしめられ「あなたの方が自由」と言われ、ヴィンディッシュは落ち着きを取り戻す。
けれど、ヴィンディッシュは治った訳ではない。
また元の妄想の世界に帰っていっただけ。
でもそれこそがヴィンディッシュを安定させる唯一の方法。
現実に向き合い、戦いを挑んでいくことに耐えられない人間もいるから。

シシィの「逃げ」を感じてからヴィンディッシュのシーンを見直すと、シシィはヴィンディッシュに現実を見せようとしたのではないと思えてきた。
シシィはきっと、病院の中だけでは現実から逃げることが許されているヴィンディッシュに無理に現実を見せるより、このまま檻の中の自由を享受させようとした。
シシィは檻の中の自由すら得られなかったから。




今回は大阪公演に遠征したので、ダブルヘッダ。
ずんこさんバージョンと水さんバージョン。
どっちのトートも全く違うトートで、それは想定内だったのだけど。
樹里ちゃんのルキーニよ…
「ここに国境があんねん」と足元指さして、マグカップ売りのシーンで堂々の大阪弁。
他のシーンではちゃんとルキーニだからこそ許されるお遊びとはいえ、強烈。
(まぁルキーニの祖国イタリアでもジェノバあたりは結構訛ってるらしいし…いいのか?

水さんのトートの人間じゃない感じ、ずんこさんのトートの人間臭さ、対極にある2人のトートを連続で観られて楽しかった。
となみシシィの圧巻の美貌、みどりシシィの強いまなざし。
個性が違って全く別の役作りでも成立するエリザベートという作品の懐の深さがやっぱり好きだわ。

逆に物足りないのはマダムヴォルフのシーン。
美穂姐さんの歌はいいんだけど…
ダンスがないと物足りないなあ。


最後の挨拶。
ずんこさんは舞台が終われば超絶マイペースの人。
わたるさんと樹里ちゃんが左右から固唾をのんで見守る姿に笑う。
流石元宙組!
現役時代の空気をまた感じられるとうれしいね。
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