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2019-04

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白い箱庭の狂気@デカダンカルテットGirlfriendWonderland

コント公演です。
うん。
コントってなんだっけ?



ニコさんと真夜中クラシックさんの合同コント公演。
書くのはニコの榊原さんと真夜中クラシックのタケイさんのみで、ニコの加納さんと真夜中クラシックの高橋さんは演者オンリー。
普段のライブではない、長いコントが6本と間の映像で構成されていた。



まずは合同コントが5本と島の映像の話。

オープニング映像の後のコント。
映像は名前とかコンビ名とか出しつつの、ちょっとカッコよく街中で撮影したもの。
1本目は警察の捜査本部かな。
刑事たちが聞き込みの結果を上司である高橋さんに報告しに来ている。
まずは1本目にふさわしく、4人のキャラクターを観客に理解させる仕様。
(もちろんコントなので「役」なのだが、この公演はどのコントも4人のキャラクター性も重要な作りになっている
サブカル大好きなタケイさん。
筋トレの事しか頭にない榊原さん。
常識的な事をちゃんと言おうとしてるのに病弱設定の咳き込む芝居のせいで何も伝わらない加納さん。
高橋さんは常識人サイドでツッコミ的立場。
うん、非常にわかりやすい!





2本目。
映像の方はさっそくホラー路線開始。
雲行きが怪しいぞw
おそらく脳外科の手術シーンと思われる映像の合間に、影を背負った医者、医者を責める患者家族の声。

コントは不老不死を求める大富豪の老人、加納さん。
マッドサイエンティスト風の医者、榊原さん、
大富豪の息子、タケイさん高橋さん。
加納さんが求めた不老不死を榊原さんが実行してくれるも…
脳みそだけ保存するという斬新な方法。
肉体は廃棄。
息子は動揺、老人は壊れたかってぐらいにハイテンション、医者は意気揚々。
タケイさん演じる息子のヘタレっぷり、違和感なくマッドサイエンティストな榊原さん、途中で豹変する一番訳わかんない役を演じきった加納さん、唯一の常識人としての軸を守った高橋さん。
小道具の脳みそがリアルにキモいけどw
最後のオチで一気に話がリアルに戻ってくる感じもいい。






3本目は「俺は眠れない」という独白の映像ののち、再び医者が登場するコント。
加納さんは患者役、他は医者?
なんだけど医者とかどうでもよくなるぐらいの痴話喧嘩オーラw
実際は違うんだけど。
このコントでは唯一加納さんが壊れ切ったキャラクター。
なんせ「健康な体だけどイケメンやぶ医者に切り刻まれたい!」ってのが加納さんの主張だから。
うん、書いてみると全く意味が分からないなw






4本目はアンドロメダマンという謎のヒーローもの。
映像は先代アンドロメダマン。
現在のアンドロメダマン二人(榊原さん、タケイさん)がヒーローらしからぬグダグダを披露しているところを、女装の加納さんが大暴れする設定。
高橋さんと加納さんは再びカップル役。
あ、違った。
さっきの3つ目では一応カップルではないんだったw
高橋さんのヘタレっぷり、加納さんのただ一人の常識人としての孤立無援さ、タケイさんの読めない感じ、作家伊原さんの自由さ。
一番4人がのびのび演じてたような気がする。
今回の公演の中で一番ドタバタしたスラップスティックコメディ感の強いコントでもあったしね。
ヒーローとしての技のいかにもな感じとか、他にはない「ベタ」な要素が盛り込まれていた。






5本目は「国先生」とゴロウたちの話。
映像では立派なサラリーマンとなった元ゴロウの帰宅シーン。
リーマン演じる加納さんがハマりすぎw
コントとして成立するギリギリの不条理なコント。
理不尽な「国先生」は榊原さんにはハマり役だと思うし、3人のゴロウの中で不遇な役が加納さんなのもうなずける。
ただこのコントはとにかく説明するのに向かない内容でw
見ていてもゴロウがゲシュタルト崩壊していく。
だがそれがいい!








最後の1本がコントじゃなくて芝居です。
まずコントの前にコントの内容を想起させるような映像が流れるのだが。
その映像が怖い。
血が出るとかそういう直接的な怖さではなく、もっと精神的な怖さ。
真っ白い箱庭の中に粘土の人形が4体。
何かの象徴のような、大きなテーブル。
窓の外から覗く人の目。
粘土の人形にピンセットが当てられ、首がぽろっと落ちて、その次のカットではテーブルの周りに横たわる人形4体。

本気のホラー。
榊原さんが映像担当だそうだが…
出しちゃいけない本気を見た。

映像だけでもこのホラー感。
本編はというと。


4人だけで暮らす青年たち。
何かを象徴するように舞台中央に置かれたテーブル。
繰り返される食事のシーン、同じ会話。
でも毎回何かが違う。
誰かの表情だったり、ほんのわずかな台詞まわしだったり…

変わらず日々が過ぎているように見えて、食事シーンの合間合間にじわじわと4人は狂っていく。

誰かと誰かが二人きりになる度、秘密が生まれる、愛憎が生まれる。
それがまた別の二人の不安となり秘密となり、気持ちの糸が絡まっていく。
閉鎖空間で糸が絡まりきったその瞬間、世界が破壊される。
狂気と嫉妬にまみれた空間で、殺しあう4人。

4人はまるで違う性質を持っていて、だからこそ惹かれあったのに。
「外の世界」にいた時は光の面しか見えていなかった4人の人格は、閉鎖空間にいることで影が濃くなっていく。

人当たりがよくてイケメンで、誰からも愛されていて、でも愛に飢えて誰も信用しきれなくて、愛してくれる人を試してしまう高橋さん。
本人の好きにふるまっているのになぜか愛されて、強い光を放っているのに底なしの闇がある榊原さん。
素直でまっとうで常識人で誰からも憎まれなくて、なのに周りの人間が隠し持っていたサディズムを露わにしてしまう触媒、加納さん。
人に恨まれても馬鹿と言われても、欲望にも愛情にも素直で、それなのに人の裏にも自分の心の裏にも気付けないまま歪みを蓄えていくタケイさん。


タケイさん、デカダンカルテットの個々の役者としての持ち味を本当によく理解しているのね…
見事な当て書き。
配役交換なんて絶対有り得ない完成度。
芝居として面白かったし、人間って怖いと戦慄した。

イケメンで普段通している高橋さんの怖さと狂気。
加納さんがまともであればあるほど、事件のトリガーになってしまう歪んだ4人の関係。
しかも自分がトリガーであることを自覚していて、なのに狂わない加納さん。
本質的に一番強いメンタルなのは加納さんで、榊原さんと高橋さんはそれを分かっている。
(加納さんとタケイさんはわかっていない
無自覚の人たらしのくせに、人が寄ってきても満足しきれない榊原さん。
その中で無邪気で欲望のままに生きているタケイさんは他の3人の救い。
タケイさんなしでは歪んだ関係はすぐ崩壊してしまうのに、その無邪気さは他の3人の嫉妬の対象。
タケイさんが甘えるのを他の3人が苦笑いで許し、4人で「共犯」になる事で維持される関係性。
主役になりたい高橋さんはそれが許せない。
加納さんもタケイさんの自由さを憎むけど、まっとうな加納さんゆえにタケイさんに危害を加えても自分がタケイさんになれないことを自覚している。
だから高橋さんが加納さんの闇に付け込んでタケイさんを殺せと言っても実行しない。
榊原さんはタケイさんを自分のものにしようとするけど、できないこともわかっている。
だから高橋さんのような直接的行動にも出ず加納さんにように飲み込めもせず、ただタケイさんをたらしこむことで満足しようと自分をごまかし続けている。
他の人はたらしこめたのに、自由なタケイさんだけはそれができない事に苛立ちながら。


芝居なのだけど、リアルの4人を忘れられない、リアルの4人を思いながら見るからこそ倍増する恐怖。
狂気と欲望を描く芝居としては素晴らしい。


でもね、コレってコント公演だよね?w
コントではないなw




終演後。
ほんの10分前まで見事な狂気を演じきっていたタケイさんは商人に変貌。
オリジナルTシャツを売りさばいていましたとさ。

あ、実は台本を販売していて、私もそれは購入済み。
役名ではなく人名で書いたのは、少しでも私の恐怖を共有してもらうため。
台本は公演後もしばらく再販OKだったらしい。
でもねえ、文字だと怖くはないんだよなあ。
やっぱり芝居は演じてこそ生でこそ!
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