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2019-09

天才の苦悩、凡人の苦悩@ミュージカル・チェス

前にコンサート版は見たことのある、チェス。
ABBAの音楽を使っている事、衣装や装置のオシャレな事、そういうキャッチーな要素のたくさんある作品。
けれど。
実際には冷戦時代の薄暗い政治事情や、常人には理解できない天才の苦悩と喜び。
そういったものが満ちている作品でもある。


起きている出来事は決して複雑なものではない。
冷戦時代、アメリカのチェスチャンピオンのパートナーがソビエトのチェスチャンピオン(妻子持ち)と恋に落ちた。
一度は亡命し共に暮らしたけれど、一年後、ソビエトのチェスチャンピオンは再びチャンピオンになるとソビエトに帰っていった。
それだけ。
そこに国と国の事情や、人物それぞれの心の傷が絡んで話が厚くなりややこしくもなっていく。




とうこちゃんの役どころはチェスプレイヤーのマネージャー的な仕事をする女性、フローレンス。
(芝居の中ではマネージャーとは呼ばれていないが、日本的感覚ではマネージャーにあたると思う

フローレンスの周りにはアメリカのチェスチャンピオンのフレディと、ソ連のチェスチャンピオンのアナトリー。
アナトリーには妻のスヴェトラーナがいる。

アメリカ側のマスメディア関係者、ウォルター。
ソ連側のエージェント?ヴォロコフ。
さらにチェスの審判、アービター。

ここまではコンサート版とそう変わりがないのだが。
内容についてはコンサート版とかなり印象が異なる。



まず、スヴェトラーナの役がかなり大きくなり、きちんとドラマが描かれている事。
それに伴って、アナトリーという人物はわかりにくくなった気がする。


スヴェトラーナの愛情がきちんと描かれれば描かれるほど、アナトリーの気持ちが見えなくなる。
単純に「一時の気の迷いで浮気したが結局妻の所に戻った話」ではない。
冷戦時代のアメリカとソビエト。
亡命してまで貫いた愛。
一時の気の迷いで簡単にフローレンスの所にいける状況ではないのに。


それに比べて、フレディは共感はともかく理解するのはたやすいキャラだ。
傷ついた子供。
大人になれなかった天才。
重圧がかかったから逃げ出して、裏切られたからフローレンスに執着し続けて、もうチェスプレイヤーできないのにチェスの周りをうろうろして。
チェスの才能以外はまるっきりただの子供。
だから痛い。




曲がどれも名曲なので、ストーリーが重くなってきてからも楽しめた。
バンコクの歌は歌詞が全く聞き取れないけどw
アッキーの声に合ってるなあ。

アービターの歌うチェスの歴史の歌。
マテが歌うと日本語の問題で大変だったのだがw
今回はちゃんと理解できたぞ。

石井さんの大人の魅力はさすが。
私だって石井アナトリーとアッキーフレディならアナトリーと付き合うもんw




衣装はどれもオシャレなのだけど、それ以上に意味というか謎がありそうで気になる。
メインキャストだけがモノトーンの衣装。
アービターはずっと濃いめのシルバーグレー。
一幕と二幕でメインキャストは色が反転する。
そして、グレーを着る人物は限られる。
一幕のスヴェトラーナ、二幕のアナトリー。

多分内面的な事を衣装の色で暗示しているのだろうけど…
う~ん。
解釈しきれずもどかしい。



しばらくバンコクが鼻歌になるぐらいのいい作品ではあった。
理解しきれなかったのは残念だけど、好きなミュージカルがまた1つ増えたよ。
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