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2019-06

寄り添う王と早送りの成長@仮面ライダージオウ(オーズ編~オウマジオウ編)

その後の仮面ライダー話。

オーズ編。
「アナザーライダーになる人間は根っからの悪者ではない」という、これまでの「柔らかいヒーロー像」をさらに強固にするエピソード。
今回のアナザーライダーは王国を作り王様になるという。
ソウゴは興味津々でゲイツが止めるのも聞かず王様のもとへ飛び込んでいく。
そこで見たものはソウゴが夢見るのとは全く違う独裁国家。
なので最後はゲイツと協力してアナザーを倒すわけだが。
今回のアナザーライダー、本来の時間軸では正当なライダーの力の行使者だ。
それが、タイミングがズレて、本来とは違う人物に導かれたせいでアナザーライダーとなってしまう。

「人にはいろんな面がある」

今回の「おじさん」の名言だ。
アナザーライダーもただの「悪者」じゃない。
彼自身の物語、彼自身の力がある。
時が満ちれば、良き指導者がいれば、彼はヒーローにもなれる。
アナザーライダーは決してただの「悪者」じゃない。
人間だ。
生の人間。
いろんな感情を抱えている、愛情も憎しみも慈しみも。
人の性質は多面的。
その性質が表に出てくる方法も、一つじゃない。
アナザーライダーは「悪いヤツ」だからアナザー化したわけじゃない。
ゲイツが「正しい」力の行使者でいられるのは、ゲイツ1人の力じゃない。

本来「仮面ライダーたる資質」を持ち得た男がアナザーライダー化してしまうのは、この作品全体に流れる「善悪観」を象徴している。

ストーリーをさらに広げているのはゲイツの変化だ。
ゲイツ自身はまだその事に気付いていないけれど。
でもここ数話のゲイツの持つ「揺らぎ」が大きくなってきた。
もともとゲイツは感情面は未発達な感じが否めない。
「兵士」というよりは「少年兵」だ、盲信的な部分も含めて。
そして、この「ゆらぎ」は次のガイム編で話を動かすカギとなる。




ガイム編。
ここでは精神世界的なものとの行き来、時間軸の歪みによるソウゴ分裂などの派手な作りの回だ。
ゲイツの「揺らぎ」はゲイツが抱えきれる範囲を超えて、そのためゲイツは一旦家出をする。
ここでやっとゲイツの精神年齢が小学校高学年に到達、って感じ。
さて、そんな時でも「おじさん」は全部受け止めてくれる。
本当、親の鑑だ。

精神世界的な所と現実世界に分断されたゲイツとソウゴ。
ゲイツはなんとかここから抜け出さないといけない。
そのために奔走するソウゴ。

ゲイツの「壁」は自我の揺らぎだ。
ソウゴを憎み切れなくなってきた、盲信的に信じていた「ソウゴが諸悪の根源でコイツさえ倒せば元の世界は幸せな世界になる」という信念に疑いが生じてきた。
戦いの中でのみ生きてきたゲイツに、ソウゴは「普通の少年」として普通に友人になろうとしたから。
ゲイツの心に空いた空洞に、ゲイツは気付き始めた。
でも、その穴をソウゴに埋めてもらうことは兵士としてのアイデンティティが許さない。
キャパオーバーだ。

ソウゴの「壁」はゲイツの(他者の)力を信じ切れていないこと。
だから自分だけで頑張ろうとし過ぎてしまう。
2人が分断され、それぞれで闘うしかなくなった時、「壁」がはっきりと目の前に立ちはだかる。

そしてその壁を派手に乗り越えるゲイツ。
少年漫画的な「成長」はゲイツの役割だ。

一方で、ソウゴも変わっていく。
「任せる」ことができなければ「王」になれないことに気付いたから。

少しだけ成長した2人は最後に家で向き合う。
素直になれないゲイツなりの最大限の「譲歩」が嬉しい。
この「和解」でなんとかゲイツの精神年齢は中学突入ぐらいか。
普通の成長の何倍もの速度で兵士から子供へ、子供から青年へ。
わずか数か月で、普通の人生の数年分を生きる。
この成長速度は相当しんどいだろう。
ゲイツの葛藤は察して余りある。
けれど、苦しくても辛くても、「奪われたもの」を取り返す過程だから。
意味のある痛みだから。
なんとか乗り越えて、兵士じゃなくて人になって。
そう祈らずにいられない。




ゴースト編。
これがまた…
今回のアナザーライダーは事故死した警察官。
妹をかばって死んだところをタイムジャッカーに目をつけられアナザーライダー化。
彼は「自我のあるアナザーライダー」だ。
アナザーフォーゼも自我はあったが、アナザーゴーストはさらに一歩進んで「自身の正義に従って殺す相手を選ぶアナザーライダー」。
彼の行動原理は「正義」なんだ。
未来で事故を起こす人間を、事故を起こす前に殺してしまおうというのがアナザーゴーストの行動原理。
「もう俺みたいな人間は増やさない」的な思いなのだろう。
独善的だけど。
「加害者」にもいる、彼を大切に思う人の事は丸ごと抜け落ちているけれど。
アナザーゴーストはあくまで「正義の鉄槌」を振り下ろしている。

この「独善的な正義」もソウゴは断罪しない。
過去を改変し、警察官ごと救おうとする。
彼は王様だから、誰も見捨てはしない。
こういう「寄り添う視点」はソウゴならではで。
やっぱり彼は「王」なんだな、と思う。

ここで出てくるラスボス感満載な男、仮面ライダーディケイド。
しかし彼の意図はまだ全くわからない。
行動原理は不明だけども、ディケイドから渡された武器は強い。
過去のライダーの力の再現度がグンと上がった。
バトルシーン的にはかなりの進歩。

そして、この3エピソードで気になるのがウォズの発言。
「ゲイツはジオウの覇道に関係ない」
つまり、ジオウの完成には「仮面ライダー全ての力」が必要だがその中にゲイツは含まれない。
ゲイツは本名そのままライダーとしての名前になっていることも気になる。
ゲイツは他の「平成ライダー」とは違う、ジオウへの対抗勢力が作った後発の「作られたライダー」だ。
ウォズはアナザーライダーを作るタイムジャッカーとも昔なじみの様子。

…ゲイツが暴走しアナザー化、アナザーゲイツが真のラスボスとかありそうで怖いな。
そしてアナザーゲイツを取り込むことで力が安定してジオウは良き魔王になれるとか。



それを思いついた原因が次の「オウマジオウ編」。
未来のジオウのビジュアルがなんというか、アナザーライダーっぽいんだよね。
何かのきっかけで不安定な力がアナザー化したソウゴ、的な。
スターウォーズのアナキンからのダース・ベイダー的なことよ。

何がきっかけはわからないけれど、ソウゴに抱えきれないほどの絶望がソウゴを襲い、アナザー化した結果が世界の滅亡。
そう考えれば辻褄はあう。
その「絶望」のきっかけがゲイツだったりすれば、タイムパラドックスとかいろいろ面白くなりそう。

このオウマジオウ編ではソウゴは王様になる夢をあきらめかける。
どうやっても「悪い魔王」にしかなれないなら、そもそも王になる事をあきらめるしかないじゃないか、と。
それを止めるのはゲイツだ。
ゲイツに芽生え始めた自我が、ゲイツの意志が、ソウゴに寄り添うことを選んだ。
ゲイツが「選ぶ」ようになったこと。
これがこの後どう転ぶのか、楽しみで仕方ない。


ゲイツとソウゴ、肉体年齢はゲイツが上だけど、二人の関係性はソウゴが兄でゲイツが弟のよう。
普通に近所の幼馴染として彼らが出会えていたら、と思わずにいられない。
この関係性が長く続いて、少しでもゲイツが人として大人になってから、最終決戦に行けたらいいなと思う。
その方がきっとゲイツは強くなっているから。
ジオウがよき魔王になった後の世界では「兵士」のアイデンティティだけでは生きづらいだろうから。
2人のライダーがお互いに与える影響が深くて、目が離せない。
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