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2018-09

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肯定と許容の食卓@ハードコア弁当

ホイップ坊やさんがインスタグラムで脚光を浴びて、ついに書籍化したこの本。
ブロガーである私としては結構希望の星。
まぁそんな個人的なアレはおいといて。

ハードコア弁当というのは「ごはん一合の上におかず一品」スタイルの弁当のこと。
毎日ホイップ坊やさんが食べている弁当はコレらしい。
スーパーで(ほとんどは値引きされている)買ってきた総菜や加工食品をご飯にのせるだけ。
自炊かそうじゃないかの境界線上。
白と茶色のツートンカラー。
栄養とか彩を度外視した、弁当。

インスタではこのビジュアルがウケた。
紙媒体になると、光るのは言葉のセンス。

ハムはぺろっと。
ベーコンはベロン。
そして、ちくわはズズンと。

これは実際に本の中で使われた言葉だ。
擬態語のオリジナリティがすごい。
読み進めると、確かにハムはぺろっとでないといけないし、ベーコンはベロンでないといけないという気になってくる。

弁当の本だけれど、これはレシピ本ではない。
ホイップ坊やさんはグルマンではないし、味付けは醤油一辺倒、まれにマヨネーズと中濃ソース。
タレの焼き鳥のページで「タレが足りなければ醤油を足す」と書いている体たらく。
最近和食業界がプッシュしている「第五の味覚、旨味」なんざ分かっていない。
分かるのは塩味だけ。
調理はしていないし、そもそも家にフライパンや鍋があるのかが疑わしい。
インスタ映え以前に、盛り付けなんて1ミリも意識していない。

でも、この本を読み進めるとお腹がすく。
ハムが、ベーコンが、ちくわが、食べたくなる。
フライ物の羅列の茶色いページ、てんぷらの羅列の黄色いページ、見た目は代わり映えしない。
だけど、ワクワクする。
彼の言葉にはそういう力がある。
その力の源は擬態語の巧みさだ。
芸人らしい「面白い事を言っている」ページももちろん面白い。
1回目はその面白さしか気づけないぐらいに。
2回目に読み返すと、さりげなく仕込まれた擬態語の面白さ細やかさに気付く。
3回目にはもう虜になっている。

味付けは醤油一辺倒、味が分かっているのかどうか甚だ怪しい男。
そんな男がコロッケとクリームコロッケとカレーコロッケと牛肉コロッケのたたずまいを表す擬態語を使い分けている。
この不可思議を是非とも体感してほしい。

4回目に読むときには出版社の人の苦労に思いを馳せてほしいと思う。
この白黄色茶色しか出てこない本にもちゃんとデザイナーとカメラマンがいる。
おかずの形状に合わせてなんと3種のタッパーが使い分けられている。
作者に「余白であるご飯がバランスよく映るように」なんて発想があるとは到底思えないので、この写真のギリギリのバランスを保っているのはカメラマンの苦労の結果であろう。

ここにきて、私の個人的な恨み妬み嫉みやっかみを1つ。
この塩分糖質脂質しかない、ダイエットを真っ向から否定する弁当を毎日食べているホイップ坊やさん。
ハードコア弁当のごはんは一合丸ごとだ。
それなのに。
本当に理不尽で許しがたい事に。
ホイップ坊やさんは全く太っていない。
この数年見てきて、太る気配がみじんもない。
私が寄る年波に勝てずどんどんまるまるしていく中、見事な体型キープぶりだ。
それがあるから、本当はこの本が売れるのは悔しいのでレビューしないつもりでいた。
じゃあなぜ今更レビューをするのか。

2巻が読みたいという欲望が抑えられなくなったからだ。
この本が重版を重ねるぐらい売れないと、続編は出せまい。
さらに売れっ子作家になれば、差し入れも豪華にハイカロリーになり、さすがのホイップ坊やさんも太るであろう。
それを見て留飲を下げたい。


ちょっと最後に真面目になると、この本は全編「肯定」であふれている。
ベーコンの焼き加減が適当でも、ウインナに切れ目を入れなくても、焼き鳥は串ごとでもいい。
「こうしないといけない」「こうしないとおいしくない」、そんな否定は1つもない。
醤油へのこだわりはすごいのだが、「ソースでもいい」「タルタルソースを足してもいい」と、柔軟性は残しているのがこの本の味噌だ。
そういえば味噌味のハードコア弁当もあった。

食事は毎日のことだ。
だからこそ、安全や栄養や彩でがんじがらめになりやすい。
そんな時この本をパラパラめくると、程よく肩の力が抜ける事だろう。
コロッケ4種の佇まいを表す擬態語を使い分けられるようになるほどの揚げ物オンパレードはよくないが、たまには肩の力を抜いてもいい。

この本にそんなメッセージ性がないからこそ、きっとこのメッセージが強く伝わってくるような気がすることだろう。
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