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2019-02

もっと愛が歪んでもいいのに@ファントム

エリザベートやベルばら程ではないせよ、再演を重ねてきたファントム。
私も結構回数見ている、全バージョンコンプリートする勢いで。
ブログに書いてるのは大沢たかお版(NOT宝塚)と蘭寿とむ版(個人的にはえりたん版)の2本。

まずヅカ版と大沢版の決定的な違いは新支配人とその妻カルロッタの扱い。
さらにそれはエリックのキャラ設定にも影響していると思う。

ヅカではエリックは無垢な少年だ。
初演からその傾向はあったけど、どんどんどの方向に突き進んで今回に至る。
エリックの愛の「歪み」はあまりクローズアップしない。
その結果、クリスティーヌは聖母、支配人とカルロッタは悪役と役割がキッチリ書き分けられる。
キャリエールは不倫男なんだが、なんとなくうやむやにベラドーヴァを美化して誤魔化す。

大沢版では全員「人間」だ。
エリックは幼い精神故にクリスティーヌへの愛が歪んだ形でしか表現できない。
新支配人はカルロッタのために強引なやり方はしたけど、カルロッタへの愛は本物。
カルロッタは自己中なところはあるものの、夫を愛しオペラも愛してる。
キャリエールは優柔不断不倫男だけど、愛する気持ちも本物だ。


この差を象徴するのが、カルロッタのナンバー。
ヅカ版にはある「綺麗な子をいじめたり」という歌詞は大沢版には存在しない。


宝塚は麗しい男役というのがそりゃあもう重要な「売り」だ。
だから男役トップスターの役であるエリックを美化するのは当然なのでそれはいい。
ただ、その結果としてカルロッタが明確に悪役になってしまったのは少し残念だと思った。


今回、雪組版はさらにエリックの少年化が進んだ。
クリスティーヌのまあやちゃんが思いのほか落ち着いた役作りで、芝居後半になるとクリスティーヌの方がお姉さんに見えてくるほど。
今回キャリエールも割と若い作りなので余計に。
ざっくりした印象で言うと

宙組和央版 エリック25、キャリエール45、クリスティーヌ18、フィリップ28(回想シーンはキャリエール20、ベラドーヴァ18)
大沢版 エリック28、キャリエール50、クリスティーヌ20、フィリップ30(回想シーンは上に同じ)
雪組版 エリック18、キャリエール38、クリスティーヌ20、フィリップ25(回想シーンはキャリエール20、ベラドーヴァ22)

どのバージョンが正解かとかではなく、あくまで印象の違いの話ね。
まあやちゃんがあんまり「三歩下がって」タイプでないのを差し引いても、クリスティーヌの方がお姉さんに見えるとは。
エリックの少年化が進んでいく中で、「エリックの愛は歪んでいる」というのが見えにくくなった気がする。
だいもんは「歪んだ愛」演じるの上手い人なのにもったいない。

しかも今回キャリエールが若い。
さきながあんまりオッサンに作っていないからね。
現在40前にしか見えないから、逆算してさらにエリックが若く見えるという。

「渋い」キャリエールじゃなくなったせいで余計にキャリエールの行動が優柔不断なボクちゃんだってのが際立つ。
だから回想シーンすら姉さん女房に見える。
これはこれでいいんだけど、今までのバージョンとだいぶ違うなあ。

今回、ベラドーヴァもなかなか個性的だった。
ベラドーヴァ、キャリエールと結婚できないと分かって壊れてしまう。
街をさまよう中で怪しい老婆から薬草を買う。
この薬草のせいでエリックの顔がああなってしまうんだけど…
今までこの薬草は堕胎薬だと疑ってなかった。
怪しい老婆が町の片隅で売ってるんだから、まぁ娼婦とかに売ってるんだろうと。
でも今回はベラドーヴァは毒を飲んで死のうとしているように見えた。
理屈じゃなく、そう感じた。

それと今回、女役の従者が二人いて。
バリッバリのダンサーでとんでもなくカッコイイ。
ジャンクロードも今回かなり「父親っぽい」役作りでいいね。
そしてこの役、劇中劇のシーンで「開演!」とかのアナウンスをする。
これがあるから美声必須の役どころ、にわにわさんにはピッタリ。



今回の雪組版、私が変わったのか演出が変わったのか。
今までとかなり違う感じ方ができて面白かった。
しかも公演デザートもアタリだった。
良いことづくめ。
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このページの管理者、朽葉。
とにかく生のステージが好き。
お笑いメインに、芝居、宝塚と西へ東へ。

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