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2018-11

44歳のビギナーズラック@中間世代ライブ

中間世代…ベテランと若手の狭間、という意味らしい。
芸歴的に7年ぐらいからかな?
M-1対象外の人はいない、それぐらいの感じ。
年齢にしても最年長の人で、44歳?
結構いってるともいえるなあ。

MC兼主宰はオフさん。
そこそこ芸歴ある彼らだけど、MCはほぼ初体験とのこと。
ま~近年まれにみるグッダグダ。
小嶋さんが徹底的にグッダグダで、藤本さんが我関せず助けに行かない。
なんだろう、自分の尻尾追いかけてる足のほそっこい大型犬みたいな。
終始アタフタジタバタ、ここまでグッダグダも極まるとひたすら面白い。
(サブMCとしてザクマシンガン山田さんやらカンフーガールさんが手助けしてるので、ライブはちゃんと進行する


さて、ネタの感想へ。

しらすのこうげき!さん。
女装男子とDT男子のコンビというなかなか濃い彼ら、今日はコント。
初めての友達!
ここが、こんなところじゃなきゃあねえ…
そして古典的なSFラブコメ漫画っぽい。
今は大御所となってる漫画家のデビュー作読み切り8P、みたいな。
荒削りさが、本人たちのキャラや熱をストレートにこっちにぶつけてくる感じ。


マザー・テラサワさん。
カラムーチョのパッケージのおばあちゃんの名前って知ってる?
何度も食べてるけど私、知らなかったわ。
あのおばあちゃんとバブル期以降の日本の労働のありようについてパワーポイントで。
ええと、ここはお笑いライブです。
パワポのエフェクトで細かくボケなくても、いろいろ壮大なボケかましてるわ。
ご乱心逮捕エンドの1人コントも面白いんだけど、これはそれ以上のご乱心かもしれない。



納言さん。
キャバクラ嬢にスカウトされるけど、なんないから!
というわけで、練習したい系のコント漫才に突入。
誘い文句の前に、場面説明が一言。
都内の駅の名前が出てくるわけだけど、この駅評が面白い。
ボソッと何言ってんだ!という面白さ。
その駅に住んでる人が聞いても笑っちゃうと思うよ。



いい塩梅さん。
親の仇を追い詰めた!
ピストルでズトンと一発やる前に、最期の悪あがきを聞いてやろう、というコント漫才。
ところが、イケメンの方の彼が全く感情表現が出てこない。
敵討ちをする方もこのままじゃスッキリしない。
というわけであの手この手で命乞いを引き出そうとするけど…
なんだあのイケメン宇宙人。



ここで中MC。
再びのグッダグダ。
なんか可愛く見えてきたぞ、44歳元塾講師(小嶋さん)。
後半戦。


オフさん。
ネタになったら俄然輝く彼ら。
今日は「ホームラン撃つから手術受けてね」という約束の裏は?という漫才。
繰り替えすが、子役の小嶋さん44歳。
わざとらしい、コナン君以上に嘘臭い子供演技だけでもう笑えてくる。
これはズルい!
藤本さんの異次元ぶりと相乗効果が素晴らしい。
また単独やんないかなあ。



ザクマシンガン山田さん。
自分のエピソードの中の数字だけ穴をあけたフリップを作り、そこに張る数字カードを客にシャッフルさせる。
結果、数字むちゃくちゃなエピソードの出来上がり!
アパートが300階建て、とかそういうレベル。
そこにテンポよくツッコんでいく、アドリブ要素強めのネタ。
ミラクル(正しい数字が入る)は起きるのか?!って言うけど、だいたい起きない。
築27.5年のアパート、とか惜しいのはあるけどね。
むしろミラクル起きたらどうするんだろ?
スタンディングオベーション?



カンフーガールさん。
最近の彼らは「いとじゅんさんにブス顔させる」がマイブームなのか?
それとも女の子と絡みたい見附さんの願望のなせる業か?
何にせよ、このキャバクラはヤバイ。
どんどんブスきて、どんどんチェンジ。
最後に来たのは、ナンバーワン!
彼らにはこの故事成語を贈ろう。
鶏口牛後。



はぐれ超人さん。
デートスポットランキング作ってきたよ!
テーマは普通、本当に普通。
それがこうなるかあ~。
すごいなあ、素材の味ってこういう事だよ。
あれだけ怒鳴るようにツッコミ入れても、それが面白いんだもの。
すごいもん見たなあ、という感想。




企画は大喜利系。
相も変わらずグッダグダなオフさんに審査員をさせるという、もう成立させる気を疑う企画。
ザクマシンガン山田さん、八面六臂。
いや面白いのよ、グッダグダなのがイイのよ!
こういうのをビギナーズラックっていうんだろうね、うん。
いくつになっても初心は美しい。
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おまけが美味しい?@えずれひろゆき単独ライブ「ezure Vol.22」

えずれさんの単独ライブ、半年に一度の風物詩。
今回もチームプロットライブが大活躍。
バッシュの前で呼び込み?してるし。


さて、毎回オープニング的な事はあまりしない代わりに雨の群雲さんが前説。
お菓子配ってお客を前に来させる前説。
毎回チョイスがまちおか的お菓子でよろしい。


さて、ネタの感想へ。

肝試し。
あるあるとシチュエーションの掛け算で、ここまでいろいろ作れるもんなんだねえ。
肝試しでへなちょこぶりを発揮してるコントパートも面白いけど、あるあるのフリップがキッチリ面白い。
音楽室、理科室、体育館と場所ごとに集めてるから、理解も追いつきやすい。
リアルえずれさんはアラフォーだったはずだが、この役は何歳設定なんだろう?
ウェイ系グループに入りたいちょっとネクラな大学生っぽく見えた。
この若見え、一種のフェアリーだよなあ…


ダーマの神殿。
RPGの転職的にまとめたフリップ使用。
えずれさんは神官コスプレ、何だろうけど。
コスプレのクオリティよ…フリップの内容が磨き上げられてるから、違和感がすごい。
このギャップが魅力なんだけどね。
とりあえず、地下アイドルにはなんか恨みでもあるんだろうか?
ユーチューバーへの想いはよくわかった!



能力者。
あるあるをいう超能力を持った高校生がヤンキーにからまれ喧嘩に巻き込まれる話。
…高校生?!いや、恐ろしい事に納得して見ちゃうんだけど。
この能力、攻撃力や俊敏性は上がってないようだ。
防御系なのか?
それともアレか。
あるあるの内容が具現化できる系?
オチは私の予想の斜め上をぶっ飛んでいった。
こういうの好きよ。



閻魔大王。
閻魔様、今日もお仕事中。
死者の履歴書読んで天国地獄仕分け。
昨今の閻魔は楽じゃない、だってSNSチェックまでしないといけないんだもの。
なんと現代的な閻魔様、このディストピア感たまらない。
そして今日の死者はなんか面倒くさい女子多いぞ?
こじらせ女子がこんなに連続で来るなんて、オサレ系カフェでO-157でも出たか?
閻魔の叫びがブラック企業っぽいのがまた。


仕事の流儀。
コンビニ店員の匠の技!
一部本当にすごい技もあるけど、ほとんどはドヤ顔で見せられたら「お、おう」ってなるやつ。
ドヤ顔の決まりっぷりがこれまたムカつく。
こんなバイト仲間いてほしいような、いてほしくないような。
遠巻きで見ていたら最高なんだけど!
ポッキーはツンデレだと嬉しい。
(見た人にしかわからない萌えポイントだよ、これは本当ポイント高いよ!



暗殺依頼。
これもあるあるとシチュエーションの掛け算。
えずれさんが演じてるのは、バンギャかな、それもかなり痛い部類の。
他のファンが増えない原因になるからバンドメンバーが暗殺依頼したって感じか。
わざとらしい瞬きも、あごに添えられた拳も、本当それっぽい。
リアルだなあ…デフォルメされきってるのに。
これ、実体験かな?バイト仲間にバンギャいたのかな?って思うぐらい。


風水師。
居酒屋でのあるあるを、風水師という目線から切り取るフリップネタ。
ウェイ系大学生に恨みでもあるのか。
…あるんだろうな、コンビニバイトにもいるだろうし。
メンドクサイSNS女子に対しては恨みまではなさそう、と言えば違いが伝わるだろうか。
このリアルなルサンチマンが面白い。
「無害そうな客」のビジュアルが…
わかるけど、わかるけど、わかるんだけど、そこまでリアルにやったか!
グッジョブ!


殺処分される…
これは地下芸人の哀愁をネタにした系統。
今まで漫談に近い形が多かったから、コント形式だと新鮮でまたコレもいいわね。
ウザさ爆発の「募金してください」のお兄ちゃんが地下芸人の哀愁を訴えるんだけど…
傍らにつれてきた地下芸人が道行く人をかもうとする?!
もう地下芸人をなんだと思ってるんだ、と見ながら突っ込んでしまう。
フリップに描かれた円グラフがすごく腑に落ちた。



コンビニ。
言わずと知れた、えずれさんの代表作!
これはなあ…R-1に持ってく可能性が高い事もあり、あえてノーコメント。
しかし面白い。
安定の面白さ。





で、映像よ。
ネタの間に長すやつ。
「マルチになろう」ってタイトルでいろいろチャレンジするの。
今回は私待望の料理編!
メニューは、ロールキャベツ!
…失敗の予感しかない。

前回は客席から悲鳴が上がりまくった料理チャレンジ。
悲鳴の原因は普通の金属製の鍋をレンジに突っ込もうとしたからなので、料理が美味しそうとかそれ以前。

今回は…毎度おなじみ洗い物からスタート!
鍋フライパン包丁を使わないのはわかるんだ、料理しない人なら。
なんで電気ポットがしまい込まれてる?
カップめんとかさあ…何食べて生きてるんだ、えずれさん。

さて調理開始!
材料を袋からガサガサ取り出す。
キャベツ半玉。
マジで???
ひき肉。
ツナギになる卵やらなんやら、調味料たち。

まず玉ねぎをみじん切りして炒めよう!
この時点でスマホ見ながらなので、おそらくクックパッド的なものを参照しているんだろう。
みじん切り、推定1センチ角。
あらみじんですらないぞ…2センチサイズの玉ねぎは手で割ってフラパンにイン!
なのに、炒め時間はみじん切りの時と同じ。
この時点で立ち込める暗雲。

次、キャベツ!
手つきが危なっかしいのは想定の範囲内。
問題は、これを茹でる事。
これはね~レシピの責任でもあるんだけど。
芯を削いで柔らかくなりやすくする工程が抜けてるのね。
結果、ここでも大苦戦。

さて、気を取り直して中のタネをコネよう。
タマネギ大きすぎてまとまらないけど、卵がいい仕事してくれてなんとか肉団子状に。
意外にもコネ工程はそこまでトラブルもなく。
問題はその後の包み。
案の定、肉が足りてない、6個分はない。
しかもキャベツは半玉だ。
致命的に材料が足りていない…
ここで料理経験あれば、冷蔵庫の中身(豆腐等)適当に放り込んでカサマシもできるが、えずれさんだからなあ…
厚みのないロールキャベツの完成。
煮込み時間はキッチリとったので、肉に火は通ってるだろう。
肉はね。

実食。
案の定シャクシャク音が。
毎回試食担当のチバタネヒデさんも大変だ。

そして今まで料理苦手そうながら、素直だったえずれさん。
ところが今回、アレンジ病に罹患したぞ…
謎の自称コールスロー。
今回の名言、「マヨネーズって卵だよね?」
そうだけど、そうじゃない!
アレンジ病が悪化するとガチでヤバイものを錬成してくれそうなので、次回に期待しまくっている。

マルチになろう料理編DVDとか欲しくなる出来栄えだったよ、今回も。



もう一本の動画は「コンビニの肉まん当て」。
ポプラよ…
今回もなかなか当たらず。
肉まんの具材って各社どれぐらい違うんだろうね?
罰ゲームがパワーアップしてるような気がした今回。

次回は春か~。
春らしい料理に期待。
動画はおまけのはずなんだけど、この料理編だけは、本編と同じかそれ以上に笑う。
もう毎回1本は料理にしようよ!

人が人になろうと決める時@チョコチップクッキー


久しぶりに下北で芝居を見てきた。
ザ・スズナリで、Rising Tiptoeのチョコチップクッキー。
チラシいわく、「労働について問いかける」話しらしい。
同じくチラシいわく、「チョコチップクッキーは食べる人が味を決めるの」と。


総合すると、「物事の多面性」、「自己決定」、「自我の形成」の3つが柱となって、人のアイデンティティを揺さぶる話だなあ、というのがざっくりした感想。
途中で依存という要素が増えてさらに話が複雑化していく。
この話は1場面ずつストーリーを追って説明してもおそらく記事を読んだ人に何も伝わらない。
だから、この記事はあくまで「この公演を見た私の頭の中」の話を書く。


「物事の多面性」と労働、を組み合わせて考える。
仕事は「やりがい」を通して人生を充実させてくれる面もある。
何かを生産してそれを生活の糧に替える機能もある。

話の舞台は「病人の街」とでも言おうか。
病人は生活費を保証され、家をあてがわれ、家事もしなくていい。
療養に専念できるし、この世界で超高級品であるチョコレートを「ポリフェノール」という名目で薬として処方されることもできる。
しかしまぁ人間なんてこんなもの、と言うべきか…街には仮病の病人であふれている。
主人公も喘息のフリをして街へやってきた。

街にいる病人たちは色分けされたバッチをつける。
そのバッチでその人の「級」がわかる。
これだけでも正直ディストピア感がすごいのだが、この街の住人はそれをアッサリ受け入れている。
なぜだろう、と疑問に思いつつ話が進んでいく。
主人公は作業所的な所に通うのだが、そこで級なしの特別市民、「プラチナ」のとんとんと出会う。
とんとんはみんなのサンドバッグ状態、動きも鈍く記憶力も低く口調もたどたどしい、その上親もここの市民で、「本物」と蔑まれている。
そう、この街の住人は「自分は仮病だから本当はまとも」というアイデンティティを持っている。
本当に治療が必要な人がバカにされ、仮病の住人が大手を振って歩いている。
そりゃあそうだ、仮病の住人は本当はできるんだから。

ここまでで「生活保護とかの社会福祉バッシングか?」と思ったが、この話はそんなに底が浅くはない。
主人公は少女時代の思い出からチョコチップクッキーに並々ならぬ多い入れがあるのだが、この街では基本的に料理はしない。
だから処方されたポリフェノールでクッキーを作れない。
クッキーを作りたくて動いていると、仲間になってくれそうな女性が現れる。
その女性はこういう。
「このピクニックには終わりがないの、自分でお開きにしなければ」
ここでストーリーに「自己決定」の要素が加わる。

序盤から出ている「テルテル」。
彼女は片頭痛でこの街にやってきた。
今ではすっかり良くなっているけれども、街を出る勇気がなくモラトリアムのように街で過ごしている。
彼女は作業班のリーダーの誘いを拒否した事をきっかけに街を追われる。
その時に街のメンバーは冷たく彼女を突き離す。
でも同時に。
「君はまだ若い」ともいうんだ。

ここにいたくない。
自分はここにいる人間より上等な人間なはずなんだ。
だけど、ここでしか生きられない。

そういう葛藤が街の人間にはある。
長く街にいればいるほど、その葛藤は心を蝕んでいく。
自分の中でそれをおさめきれなくて、とんとんのような「本物」いじめにつながっていく。
だって、とんとんは「ここにいていい」んだから。
たとえここが密告のあふれる監獄でも。
「ここにいていい」と無条件に言われることがどれほど羨ましい事か。
テルテルの離脱は彼女の自己決定ではない。
だけど、彼女は後に出紙をよこす。
ファックを連呼する、街での腺病質な姿から想像もつかない手紙を。
それは彼女が自己決定をする「外の世界」に戻ったからだ。
手紙を書くことも、彼女自身の決定だ。

街の住人は「仮病」だと自覚している。
果たして本当にそうだろうか?
確かに体は健康かもしれない。
けれど、心は?
いわゆる自炊は、自己決定の連続だ。
今夜はモヤシにして節約して、来週発売のゲームを買うぞ。
これだって立派な自己決定だ。
そういうものをこの街は奪っている。
お仕着せの日常に耐えられるのは、些細な自己決定を毎日何十何百とこなす「心のスタミナ」がきれているからではないのか。
監視されて自由もなくて、それでも生活できるならそれでいい。
そんな精神状態、全く健康とは思えない。
テルテルは「リーダーの誘い」を断るという自己決定をした。
自由であることが、生活の保証より大事になった。
それこそが彼女が「街の住人」でなくなった証。
片頭痛がどうとかじゃない。
彼女の心のスタミナが回復し、「選ぶ」ことができるようになったということ。
それが街の住人の資格を失わせた。
私にはそう見えた。

で、この「リーダー」。
4~6人ぐらいの作業班をまとめてるリーダーなんだけど。
彼だけ「街にいる理由」が明かされてないんだなあ。
主人公のいる作業班は皿を並べて回収するだけの仕事を担当する。
が、その「皿並べ」には歌と振付がついていて、しかもそれがちょこちょこ変わる。
何の生産性もない作業に、効率に一切貢献しないルール。
世の中の何かを揶揄していることは間違いないだろう。

ここで私が思ったのは、仕事の中の「社会の構成員としての承認」だ。
有形無形の何かを生産し、その対価を受け取る、それが仕事。
対価の一つは社会からの肯定、承認。
その側面だけが肥大すると忠誠心を求めてサービス残業を強要するブラック企業の出来上がり。

リーダーの肥大した承認欲求もある意味では病的だ。
彼はわかりやすい病気ではないだろうが、この街から出られもしないだろう。
街という「システム」が体にしみこみ、もう分離できない。
彼自身、皿並べの複雑な振付に意味など感じていないだろう。
でも、やらずにはいられない。
もうそこにしかアイデンティティがないから。

そして物語中盤、主人公はチョコチップクッキーに依存し始める。
謎の医者と看護師、市長と秘書?も物語に絡みはじめ、人間関係が複雑化する。
とんとんにも裏切られる。
彼女の場合は、本当に「ここでしか生きられない」のだから、裏切りもするだろうが…
最終的に「私はチョコチップクッキーになる!」と言い出す始末。
実際それは無理にしても、台詞は深い。
「砕かれるにしても自分で選びたい」と。

最終局面ではチョコチップクッキーの発明者まで出てくる。
再び語られる「すべては自分次第」というメッセージ。
同じクッキーがバター優位に感じられたりチョコ優位に感じられたり。

そして、どちらの味もしない、砂のように感じられる日だってあるだろう。

私も若い頃はブラックな働き方もした。
アイデンティティがどこかにあると信じてさまよった。
今でもそうだ。
どこかにあるはずの、「自分の価値」とか「生きる理由」とか、自分の芯になるものを探し続けている。

ここにいたくない、ここでしか生きられない。
矛盾するようで、一つだけ確かな事。
こんな嫌な場所でも、とりあえず自分はまだ生きていたい。

To be or not to be?

そんな問いかけできるわけがない。
この世に自分なんか必要ないとわかった上で、生きていたいから苦しいんだ。
この街の人間だって基本的には(妊婦はともかく)、この世から「要らない」と言われる人間だろう。
それでも生きていたい。
居場所がほしい。
肯定されたい、承認されたい。

そのために「労働」というのは重要な条件だ。
社会が自分に対価を支払ってくれるという事は、それは社会からの承認だと言える。
この街では労働しない。
日々の生活保証は「対価」ではない。
それは無条件の肯定に見えて、とても不安定な状態だ。

市長が何度も語るエピソードに、「仕事をサボって電車に乗ったら巣に帰れなくなり死を待つだけのアリ」というのがある。
普通に解釈するなら、社会のルールから逸脱したら人は生きられない、という事になる。
同時に繰り返される「働きアリの2割は休んでる」という豆知識。

この街の住人は「サボって電車に迷い込んだアリ」か、「もともと計画されている2割の休むアリ」なのか。
仮病でなく、本当に病気で街に来た住人でも、同年代の人の活躍をテレビで見た日には自分が「電車に迷い込んだアリ」に思えるだろう。
単なるサボリであったとしても、堂々としていれば他人からは「もともと休みのアリ」に見えるだろう。

同じ現象も、自分がどう考えるかで違う未来へつながっていく。
これは単なるプラス思考の勧めじゃない。
自分の考えが、思考が常にコントロールできるなんて、そんな考えは傲慢だ。
私だって明日、チョコチップクッキーになりたいという考えに憑りつかれるかもしれない。

人は社会的動物だ。
他者とのかかわりなしでは生きられない。
最後の柱「自我の形成」はどんな人でも、1人では達成できない。
引きこもりが「引きこもる」と選択するためには、他者が必要だ。
この監視され自由のない街で、それでも人は人と関わり続ける。
それを無くしたらもう人じゃなくなってしまう。

リーダーはこれからも意味のないルール(歌や振付)を生み出す事でしか生きる意味を見出せない。
もし、その意味を見出せなくなったら彼はもう生きられない。
この街を一番謳歌しているように見えて、一番危ういのが彼に見えた。
とんとんは他の街で生きられないから、生きるために街の中を転々とする。
主人公はどう生きるのか。
分かりやすいハッピーエンドではなかったけれど、ラストシーンで主人公は「選ぶ事」の意味に気付いたように見えた。
そうだとすれば彼女も街を出ていくだろう。


ここまで全体的にモチーフを追ってきたけれど。
個人的に一番胸が痛かったのは、テルテルとリーダーの対比だ。
演者の年齢的にも結構な差があり、まだ道を選べるテルテルと、ここでしか生きられなくなったリーダー、という構図に見えた。
選ぶ、自己決定をする、というのは本当にエネルギーがいる。
車だって走り出す瞬間が一番エネルギー使うのだ。
飼いならされて、そのエネルギーを失ったらもう戻れない。
元々の病気(仮病)が会話に出てこないリーダー、「ここにいたくない」「自分はここにいる人間より上等だ」、そんなささやかなプライドすら折れてしまった。
(この公演、一部ダブルキャストで、もう片方のキャストではリーダーも若そうなのでここら辺の対比がどうなっているかは気になる)
年とともに、私もじわじわと「ここにいたくない」というエネルギーが失われ、「ここでしか生きられない」という諦めが優勢になってきているのを感じる。
いつか私も生産性のない無意味なルールを作ることに悦びを感じる側になるかもしれない。
それが心底恐ろしく感じられた。


ここにいたくない。
ここでしか生きられない。

普遍的な心の叫び。
それに対して、「ここをどう見るかはあなた次第よ」と突き放すのは簡単だ。
だけど、それはきっと間違っている。
「自分がどう見るか」じゃない。
「自分がどう見てしまったか」なんだ。
チョコチップクッキーを食べてみて、チョコ優位と感じるかクッキー優位と感じるか。
それは食べてみるまでわからないし、食べる前に自己暗示をかけて気分がどうにかなるもんじゃない。
まずクッキーを食べてみないと、自分の気分を知ることもできない。
人が自分の心を知るには、他者という触媒が必要。
アイデンティティは一人じゃ確立できない。
自己決定は人が人であるために必須条件で、でもその「選ぶ力」はどんな形であれ人との濃厚なかかわりの中でしか育たない。
監視社会だろうが自由がなかろうが、まず「社会」に属することがスタートライン。
疎外されたままでは人は人になる事ができない。

人は一人じゃ人になれない。

それこそがこの話の神髄だと私は思う。
ここ数年、それまでの人生の何十倍何百倍の濃い人間関係を生きてきた今だからこそ、歪んだ社会であっても社会とつながる事の大切さが身に染みた。
ボーボワールは言った。
人は女に生まれない、女になるのだ。
私はこう応える。
人は人に生まれない、人になるのだ。

みんな本当はツッコミたい?@ガブリヨリ

SHUプロモーションの事務所ライブ。
余談だけども、この事務所、ロゴのデザインセンスが素敵。

ネタは1分コーナーと3分コーナー。
1分のほうはMCのおかゆ太郎さんはずっと舞台のはじっこにいて、ツッコミを入れている。
この愛あるツッコミがいいのよね。

1分コーナー、小松ランドさんの電話の1人コントがよかったかな。
順当に昇格。

さて、メインの3分ネタコーナー。


ブランドンさん。
クイズの漫才。
フタツカさんの出すクイズ…マニアックというかキャラ通りというか。
ロックなクイズばかり。
だけどちょっとひねった問題もあったりして…
西尾さんの嫌そうな顔が何とも言えない。
そうよね、クイズ出題の時の音!


エスファイブさん。
この人たち、どうしてこう…
アイドルってなんだろうw
何やっても許されちゃうのよね。
イケメン無罪的な事だけではなく。
ジョージさん宇宙人だわ~。


ピストルオペラさん。
引っ越しの挨拶にセガサターン持ってきたよ!
いろいろと待て。
ハードだけじゃアレだからソフトも持ってきたよ!
どこから突っ込めと。
ソフトの内容がまた濃い。
ゲーム題材のコントだけで何本作れるんだこのコンビ。
いいわ~こういうの好きよ。




モッツァレラ気分さん。
このコント、万引きとスーパーの店員と謎の男。
謎の男は本当謎で、オチで一応正体明かされるけど…
本当に??
いやいや…?と。
何者か納得してないぞ私は。
その不条理さも含め笑ったけど。



ふんわりポニーさん。
レンタルビデオを延滞した人の言い訳?
タイムスリップとはまた。
と思いきや最後の怒涛の展開。
変な人がただの変な人で終わらない。
予想の斜め上を行くっていうのはこういうのを言うんだろうな。
店員が終始相手にしてないつもりでどっぷり相手のペースなのがイイ。



あいあい♡パーティーさん。
カメレオン芸人になりたい!
その志は良いけども、演技は?という漫才。
なんていうか…大根とかじゃないんだよなあ。
異次元。
異星人。
想定外。
偏見に基づくデフォルメが嫌味にならないキャラって強いわ。



おかゆ太郎さん。
子供番組風の歌ネタ。
ものすごく教育に悪そうだけど。
歌のお兄さんが意外にも似合う。
意外にもって失礼だけど。
毎回ネタ後息が上がってても、お兄さん。
永遠のお兄さん。
オバカな男子大喝采だな、今日のネタ。



企画は女子ウケツッコミ選手権。
ジョージさん…ツッコミ?!
一部ボケがツッコミサイドに乱入してどんちゃん騒ぎな企画に。
ツッコミのためのボケの用意は赤と青の2人の芸人さん。
赤…うん…マスコットキャラだなアレは。

ゲストは荒ぶる神々さん。
サイコパスな犯罪者に事件の真相を聞きに来た刑事。
この設定から毒舌系あるあるに話が吹っ飛んでいくのすごすぎるでしょ。
結成秘話もエンディングで聞いたけど、ぶっ飛んでるわ~。



エンディング。
おかゆ太郎さん大暴走。
楽しそうねえ。
さて、来月もエストルドン揃い踏みだといいな。

今更ながら@凱旋門

実は初演も観たよ凱旋門。
いつの間に、こんな年を取ったのかしら。
初演の頃、あの頃私は若かった。

初演と再演で主演(ラヴィック)が同じイシちゃんだってのがまず衝撃なのだけど。
本当、あの人老けないわ…
本当は石像なんじゃないかな。

で、ストーリーは基本変更なし。
ただ、前回よりショーが長い分、やや削ったのかな?
そんなに「あのシーンがない!」みたいなことはなかったけど。

舞台は生もの。
それはすごい実感した。
初演の時のイシちゃんはトップとは言え組子だった。
何年も、相手によっちゃ十年以上一緒にやってきた仲間たち。
相手役のグンちゃんだって何作も組んできた相手だ。
今回は違う。
イシちゃんは専科で、雪組には何年かに一度しか出ない。
相手役も、二番手も、がっぷり芝居で組んできた相手じゃない。
しかも立場が違う。
生きるレジェンドとなったイシちゃん、どうやったって前と同じ距離感ではないだろう。

今回、にわにわさんはナチのゲシュタポを演じた。
彼は数少ないイシちゃん組子時代のメンバーだ。
彼の初舞台がノバボサノバ。
組内では上から一けたの雪組生え抜きのにわにわさんですら、数年しかイシちゃんと同じ組にいなかった現状。

芝居としては難しいなと。
せめて、イシちゃんの役が王様ならよかったんだ。
ある種の緊張感や上下関係が元から存在してる芝居なら。


ボリスが。
だいもんとタータンの芸風がそこまで遠くないと思う。
それでもなお、これだけなんか違和感があるんだなあと。

ハイメ、死の鳥、絵の三人組は初演時仲良し同期三人で演じていたものの、実は舞台上でそんなに絡む役ではなく。
そういえばそうだった、と。

あとアレだ、誰が演じようと共感できないのよ…ヒロインのジョアンに。
初演、初演特別講演、再演と3人のジョアンを私は観てる。
そして、初演の時に比べ私も随分と年を取った。
でもわからない。
いや、もしかしたらケータイがなくて女性も今ほど強くない時代にはジョアン的な女性が普通だったのかもしれないが。
共感できないもんは共感できない。
私よりさらに何十年か生きてるはずの母もジョアンに共感できてないようなので、これは年齢や人生経験の問題というよりは人格の問題なのだろう。

ヒロインが共感できないと、恋愛に共感できないので、きちんとした感想が構築できないの。
私は今の雪組のことは好きだ。
だいもんは組替えまえから見てるし。
だけど、分からない多過ぎるものはまとめられない。

ジョアンの浮気相手君もわからない。
ヤバい人、としか理解できないぐらいにわからない。


でもさ。
ラストシーン、ラヴィックとボリスの別れのシーン。
「ほら来いよ」って腕を広げる、だいもん。
その「来いよ」が胸キュンもののすばらしさだったのよ。
だいもん、今まで相手役にこういうアプローチする役ってあったっけ?
表情も腕の広げ方も素晴らしい。
ラヴィックが嫌がるの分かってるからちょっとSっぽく。
最後の別れの悲しみを隠そうと薄く笑ってるけど哀しみが透けていて。
何あの色っぽさ。
相手役に、娘役にそれをやって下さい、マジで。
これを言いたいだけでこの記事をアップすることにしたんだもん。
「わからない」だらけの感想をあげるのは私の美学(笑)に反するのだけども。

でも、あのだいもんはマジでカッコよかったから!
カッコいいは正義。



で、ショーは楽しく猫いっぱい!
だいもん、テーマパークっぽいの似合うなあ。


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プロフィール

朽葉

Author:朽葉
このページの管理者、朽葉。
とにかく生のステージが好き。
お笑いメインに、芝居、宝塚と西へ東へ。

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